風夏

風吹いた夜は

筆で書き溜めた言葉

折り曲げて飛ばして

窓際、着陸オーライ


風景を描いた

その紙は徐々に流れて

泣いたって変わんない

言ったって、どうせわかんない


夏が来る5分前

懐かしいラジオネームと

AMの時計台

アラームは既に鳴ってた


この、風が止まるまで

この、夏が終わるまで


雨が止み、足枷をとり、遠く離れた貴方に

会いに行く、風夏


玉詰め瓶返した

透き通る、青い気持ちが

つっかえて戻んない

言ったって、どうせわかんない


この、風が止まるまで

この、夏が終わるまで


雨は止み

空、夏霞

遠く離れて行く度

今はもう、風化


風は止み、夏の行先

開いた海、日々の行先

やつれた想い、鼓動が刻み

内窓の縁、あの日のメモリー


夏陰の恋、光る縒り縁り

開いた口、"好きなんだリリー"

言葉を濁し、綴る"僕より"


風は止み、夏は彩り、優しく微笑む貴方に

会いに行く、風夏