春夏秋冬

アラームの共鳴、句点書いて捨てた

春、踊り場がよく見える、朝

風が縫った隙間、こべりついた言葉は

夏、霞がかっていたまま


夕凪、息も止まるほど

鼓動が歌っていた


「さよなら」

聞こえないもんだな

最後の言葉は


言ってしまえば

このまま二人、夜に還るの

空声、溜まり場

流れる、春夏秋冬

 


暮れになって気づく、春と夏の亡骸

秋、落ちていく葉が隠すまま

心に刺した言葉、こべりついた言葉

まだ、剣先が見えているまま


なぁリリー

聞こえないもんだな

最後の言葉は


今になって気づく、捻り出した言葉が

冬、白く靄になって消えた、夜


逝ってしまえば

このまま二人、夜に還ると

空晴、今なら


言ってしまった

このまま二人、夜を超えると

人生、踊り場

流れる、春夏秋冬