月街灯

月明かりが映る水面

まるで街灯のように連なる

そんな訳もないと一言

少し暑い夏の夜の話

 


鈴虫が奏でる歌も

花火が散るその音でさえ

ギターの音でかき消した

誰もいない公園で

 


月街灯よ、夜を照らせ

光る僕らをもっと掻き消せ

ホントだけが僕らの正解じゃない事

知ってるんだろ?

だったら、月街灯へと灯せ

くだらない、人生なんて全て

忘れてしまうよ

 


夢の中で笑う皆も

まるで街灯のように連なる

その中に僕もいるんだ

みんな同じ顔で笑ってる

 


陳列された正解も

教訓も義務もこの世界も全部

ギターの音でかき消した

誰もいない人生で

 


月街灯よ、夜を照らせ

光る僕らをもっと書き消せ

音楽すら、いつかの自分を呪う事

知ってるんだよ

 


それでも、月が愛おしくてほら

ふと見上げて笑ってしまうんだ

 


月街灯よ、日々を照らせ

僕を全部全部書き消せ

本当なんだ、あの日は月が綺麗だった

「死んでもいいわ」

 


そう言って、月は水面消えて

くだらない、いつかの思い出になって

歌になっていく