夕幻

気持ちは安いし、言葉は浮いて

想いが無いの分かってるんだ

恋というのは、ただの勘違いの延長なんだろ

 

時間はあった、だけれどダメだ

なんせ人生は有限なんだ

信じていたって、愛せない物もあるだろ

 

夕暮れ迫る夜際

限りない止まらない筈の歩幅

 

全部間違っていたんだ

落ちた日が、それの証明だ

茜雲も黒く染って

幻になってしまうんだ

 

言うは易し、言葉は魂

想いをのせても届かないし

歌うというのは、ただの旋律をなぞる模倣

 

自信があった、僕は努力家

僕の音楽は認められるさ

信じるというのは都合のいい部分を見るだけだ

 

差し迫る曲の終わり際

届かない、止まらない筈の歓声は

 

全部間違っていたいんだ

登った日が、僕の照明だ

あの日の僕を黒く塗って

幻にしてしまうんだ

 

夕幻の僕ら思い出に沿って

ただ街をふらふらと歩く

有限な僕ら答えを知って

ただ街をふらふらと歩く

君に作った歌に沿って

君じゃない誰かを乗せて

君を描いた歌に沿って

ただ街をふらふらと歩く

 

全部間違っていたいんだ

僕の人生は僕のものだ

暗がりに溶け込む境界線

ただ、君を待っていた

幻になっていた