カイトウ

子供の頃テレビで見た

夜を駆ける姿に憧れた

誰にも見つからぬように

颯爽と悪を盗んでいた


気づいたら僕も同じように

誰かから何かを奪っていた

世の中の真理に気づいたんだ

そう言って僕は姿をくらました


端から端まで全てを盗った

誰かの正義も誰かには悪で

僕にとってはこの人生全てそれこそが悪だった

わかってくれるか、

 

 

僕らいつから交わっていた

表裏一体なんて言われてさ

誰にも見つからぬように

ゆっくり正義に染まっていた


だけれど僕らは忘れてた

正しい時こそが間違いだって

世の中の真理に気づいたんだ

何も言わず僕は投げ出した


何をしててもつまらなくなった

誰かのシナリオ上からなぞるだけ

「僕自身」なんでどこにもないよ、それこそが本当さ

わかっているんだ


僕がないなら盗めばいい

誰かから盗って貼り付けて

誰かの悪を盗んで正義に変えてしまえばいい

夢も現実も人生も何もかもを盗んでしまえたら

貴方になれるかな


いつしか、僕は誰でもなくて

誰にでもなってしまった

僕らで見つけた人生の全てそれこそが

解答だった