カイトウ(ポエトリー)


嗚呼、その美しい白銀の姿に
昔から僕は目を盗られていた
悪という立場を正義に変える
不可能を可能にする
そういう貴方に憧れていた
、、
そうか、もうこんな時間か
昨夜の酒が残る
昔の夢にうつつを抜かしていた
うつつって漢字だと現と書くのに
昔に現ってなんか変だな
まぁいいか
徐々に開ける毛布
言うまでもない、朝が来た
、、
長い一日が始まった
パンとコーヒー、砂糖は4つ
見た目だけ取り繕った大人だ、意地汚い
今日もよく聞こえる、電車の音だ
こんなに聞こえるのに始発のベルでは起きない
まぁいいか、散らかった靴を整え僕は家を出る
、、
あの少し曲がっている標識の横だ、添えてある花が枯れている
随分時間が経ったのだろうか誰も見向きもしない
添えてあるのは煙い草だ、まだ燃えている、キスキスと痛む胸が通り過ぎても残っていた
、、
そうかこんな時間か
空は針を刻まずとも夜を知らせる
ふと視線を落とす、煙はもう立っていない
静かに踏み潰す、偽善を掲げて
僕は発つ、偽善を掲げて
、、
そんな日々がしばらく続いた
パンとコーヒー、砂糖は1つ
中身まで取り繕った本当の大人だ、まぁいいか
今日はまだ聞こえない、僕は誰だ?
どんなに尋ねても答えは出ない、まぁいいか
諦めるのが早くなった、大人の特権だ
盗み盗まれてきた、これが人生か
それならば今は僕の人生か?
そもそも僕自身はどいつが正解だ?
問いに答えるのは頭の中の僕だ
雄弁に語る自我になんの意味が?
結局みんな1人だ、分かってはいるのさ
人生が悪だ、そう描いた僕が人生を生きる大きな矛盾だ
これもまた誰かを盗んで得た答えだ
そうか、やっとなれた
これこそ怪盗だ

 

 

 

you and me

 

 

なんだか最近、生きづらいね

誰もが抱えてるはずの葛藤や悩み自己愛だって

正しさの物差しで測るものじゃないなぁなんて

事の顛末は流動的な気持ちに左右されて行くものだし

みんな本質は一緒、自分の意見が正しいと信じたいし反応が欲しい

そういう醜さこそ人間らしくて好きだけどね

命の話になるとみんな重たくなるけれど

君たちの生活は、人生は必ずなにかの命に触れて生きているんだ

こういう時に実感するだけで大して意識はしていないのに

綺麗事のように述べるのも大概偽善だ

まぁこれは極論であって、大体はその時の気分とかたまたま目に付いたもの

そういう物に左右されて生きているんだ

自意識で生きている人なんてほぼ居ないだろうに

価値観も自我もそう感じるものは、基本的には他意に影響は受けているものさ

 

多くの人の目にふれるというのはそれだけ沢山の価値観がぶつかり合うことで

それは他人を攻撃するものでない限りは有益なお話だと思うけれど

声が大きくなりすぎるのもどうしたものかと思うね

限られた文字数に伝えたい内容

言葉足らずになってしまうのは仕方の無いこと

伝える努力と読み取る努力

そもそも、こういうサービスに努力という文字が入る時点で作った方も後悔しているんだと思う

 

比較的狭い範囲の物でも誰かの元に届いてしまう

数が正義の教育と多数派の暴力

マイノリティが正しいという訳でもないしね

どの価値尺度で測るかは個人レベルの話なんだ

深い話がしたいならお互いツールを考えよう

まぁ、それが間違っていてもただTPOが弁えられない人なんだなと思うだけでいいじゃないか

反応している君も、所詮同じレベルなんだ

 

そう、全て自戒なんだよ

 

you and me

20

大人になっていくたび色んな事分からなくなって

大人になれてるかな、なんて考えるのは今日で最後

おかえりただいまの何気ない日々も

すれ違いざま、香る懐かしい匂いも

2人で座った花壇の上、青いベンチ

全部、音に乗せて


いつか、偶然聞こえたその歌がきっと

君を描いた曲で君を描いた僕が

忘れていること、そうしたらきっと

僕もやっと大人だ


あれから、何年も経って色んな事分かってきて

大人になったのかなぁ、なんていつもと同じ空を見ても

 

おかえり、反響するこの部屋も

すれ違いざま、振り返ることも無いの

1人で座った花壇の上、褪せたベンチ

全部、音に乗せて

 

いつか、空前聞いたことのない歌がきっと

君を描いた曲でなかったその時でも

思い出してくれ、そうしたらきっと

君もやっと、大人だ

 

 

今じゃ当然、流れるこの歌でも

君を写すフィルムも切れて掠れた思い出に

成り代わっている、そうしたらきっと

きっと


いつか、偶然聞こえたこの歌がきっと

僕を描いた曲だと僕を描いた僕が

分かっていること、そうしたらきっと

きっと、大人だ

あなた

好きじゃない缶コーヒー

暖を取るため手にしたり

白い息を内に貯めて

一気に吐き出して見せる遊び

マフラーで口元隠してほろり

こぼれた言葉、「今年も1人」

温まる手と冷める缶コーヒー

暖の取り方は去年と同じ

みんな求める人の温もり

不思議だったが今わかった

覚めるが冷めないその温もりが

僕らの心を動かしてるんだ

 


偏に、冬のおかげじゃないか

君に近づく理由が出来た

伝えることはあと一つだけ

伝える言葉、あと一つだけ

クリスマスが近いが期待はしないな

夜は空いてる、でも君は埋まってる

一か八か決戦、予選する前に敗戦

光り輝く街に、寒さばかりが煌めいて

今年の夏からずっと考えていたんだ

もしもこのまま世界が止まってたらって

 


酷くなるな、現状、忘れていく惨状

歴史に刻む年こそ、起こして見せろ革命

君に届く距離はもはや無限となった今じゃ

温もりも寒さだって全部オンラインで繋ぐ

そんな日々に呆れても仕方なく進む

今日の夜道やけに長い、気づく日付聖夜

悴む指で放つ、思いの丈が歌になる

 


みんなの本音はプロフィールの中だけにある

表は大丈夫、キラキラな自分が彩る

後ろに隠れてる、「孤独」は静かに彼を食む

キラキラと輝く街並みだって嘘なの?

外に出ればわかるが、出るなってみんなが言ってる

じゃあどうすりゃいいんだ、僕に根を下ろした孤独

向き合うために必要なのは本当に時間か?

時間が解決するのは、きっと個人だけの希望だ

世界の希望は待ってたって進みやしないさ

誰かに任せるな、明日の自分に託せよほら

勇気の源はいつだってそう孤独だ

 


始まり彼方、そんな歌があった気がした

終わりも彼方、私の人生と同じだ

人生のスタートを探す間にゴール

愛も金も希望もグシャグシャにして捨てた

夜になった街はまるで昔壊したジオラマ

冷気だけが蔓延る午前1時の束の間

口ずさんだ歌に振り向く影がひとつ

貴方だって分かったって邪魔するんだ過去が

 

滑り込んだコンビニ、追って入る貴方

手に持ったコーヒー、息を止める貴方

みんなが求める、人の温もり

今やっとわかった、欲しかったのは貴方

月街灯

月明かりが映る水面

まるで街灯のように連なる

そんな訳もないと一言

少し暑い夏の夜の話

 


鈴虫が奏でる歌も

花火が散るその音でさえ

ギターの音でかき消した

誰もいない公園で

 


月街灯よ、夜を照らせ

光る僕らをもっと掻き消せ

ホントだけが僕らの正解じゃない事

知ってるんだろ?

だったら、月街灯へと灯せ

くだらない、人生なんて全て

忘れてしまうよ

 


夢の中で笑う皆も

まるで街灯のように連なる

その中に僕もいるんだ

みんな同じ顔で笑ってる

 


陳列された正解も

教訓も義務もこの世界も全部

ギターの音でかき消した

誰もいない人生で

 


月街灯よ、夜を照らせ

光る僕らをもっと書き消せ

音楽すら、いつかの自分を呪う事

知ってるんだよ

 


それでも、月が愛おしくてほら

ふと見上げて笑ってしまうんだ

 


月街灯よ、日々を照らせ

僕を全部全部書き消せ

本当なんだ、あの日は月が綺麗だった

「死んでもいいわ」

 


そう言って、月は水面消えて

くだらない、いつかの思い出になって

歌になっていく

夕幻

気持ちは安いし、言葉は浮いて

想いが無いの分かってるんだ

恋というのは、ただの勘違いの延長なんだろ

 

時間はあった、だけれどダメだ

なんせ人生は有限なんだ

信じていたって、愛せない物もあるだろ

 

夕暮れ迫る夜際

限りない止まらない筈の歩幅

 

全部間違っていたんだ

落ちた日が、それの証明だ

茜雲も黒く染って

幻になってしまうんだ

 

言うは易し、言葉は魂

想いをのせても届かないし

歌うというのは、ただの旋律をなぞる模倣

 

自信があった、僕は努力家

僕の音楽は認められるさ

信じるというのは都合のいい部分を見るだけだ

 

差し迫る曲の終わり際

届かない、止まらない筈の歓声は

 

全部間違っていたいんだ

登った日が、僕の照明だ

あの日の僕を黒く塗って

幻にしてしまうんだ

 

夕幻の僕ら思い出に沿って

ただ街をふらふらと歩く

有限な僕ら答えを知って

ただ街をふらふらと歩く

君に作った歌に沿って

君じゃない誰かを乗せて

君を描いた歌に沿って

ただ街をふらふらと歩く

 

全部間違っていたいんだ

僕の人生は僕のものだ

暗がりに溶け込む境界線

ただ、君を待っていた

幻になっていた

 

loose day

夢の中で君は少し笑っている

ほんの少しだけ笑っている

 


「おはよ、早く起きて」

寝ぼけ眼の僕はいつも通りに君を揺さぶる

揺れるベット

君は向きを変えた

中合わせ、朝日が遮る

 


いつもの朝だ

変わらない朝、眠い朝、君がいる朝

窓から光が差し込んで、何もかもが輝いて映る

少し大きなベット

部屋干しのシャツ、乾いたパンツ

まだ去年のカレンダー

6枚切りのパン、マーガリ

 


偶に頭をよぎる不安も

目を閉じれば忘れてしまうし

明日の朝も同じように過ごすんだと思うと

自然と心にも光が差し込む

 


おやすみだけは出来るだけ一緒がいいと

2人で決めた初めてのルール

寝たフリし合って、君は目を瞑って

そのまま夢へ、長い旅路へ

目覚めたら今へ戻るんだっけ

朝は来ないで、夢のままで

 


ふと思い出した日々は

地面の小石が岩になって躓いて

見返すカメラはフィルムが切れていた

ならばとファインダー越しに

まばたきのシャッター

寝たフリだ、ってつねったら笑うはずで

そっと眠る君にはフラッシュなんて、いいね

 


ずっと一緒にいるさ、心も身体も

でも何故か足りなかった

どうしようも無かった、

届きそうなところで届かない

奇跡なんて起こらない

時間は戻らない

なんて、言い訳並べても途切れないこの気持ちだけが辛い

少しずつ、少しずつ

ほんの少しだけ、忘れていける気がした

 


朝起きてパンを焼く、最近は5枚入りが好きなんだ

マーガリンもバターに替えたよ

未だに石は大きいし、未だに躓く

カレンダーだけはめくらないし、めくれないままだよ

 


でもね

 


僕は、ずっと大人になったよ

瞼の裏に書いてある思い出を読みたくて

それを読んだら続きは現実な気がしてる

 


まぁ、そんなことはなかったのに

また目を瞑ってるよ

神様はきっと、君の瞼の裏に、やけに長い物語を書いたようだね

おやすみって、笑っていうよ

明日の朝は、「早く起きて」かな?

 


夢の中で君は少し笑っている

ほんの少しだけ、笑っている